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副業の雑所得、経費はどこまで認められる?範囲・記帳義務・事業所得との違い

副業を雑所得で申告する場合でも経費は差し引けます。雑所得で認められる経費の範囲、2022年改正で生まれた帳簿保存義務、損益通算ができないなど事業所得との違いを、国税庁の一次情報で整理します。

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電卓とノートで計算する手元

執筆: 副業タックス編集部

「副業は雑所得だから、経費は引けないんですよね?」――単発の業務委託や副業ブログ、小規模な物販を始めた会社員から、よく聞く誤解です。実際には、雑所得でも収入金額から必要経費を差し引いて所得を計算します。経費を拾えば課税される金額はきちんと下がります。ただし、青色申告や損益通算といった事業所得ならではの優遇は使えない、という決定的な違いがあります。本記事では、雑所得で認められる経費の範囲と、2022年改正で生まれた帳簿保存義務、そして事業所得との差を国税庁の一次情報で整理します。

雑所得でも経費は差し引ける

国税庁タックスアンサーNo.1500(雑所得)でも、雑所得の金額は次のように計算すると示されています。

収入金額 − 必要経費 = 雑所得の金額

つまり経費を差し引ける構造そのものは事業所得と同じです。副業の売上が30万円あっても、必要経費が12万円かかっていれば雑所得は18万円。課税される所得が18万円まで圧縮されるわけです。「雑所得=経費ゼロで全額課税」というイメージは正確ではありません。

申告が必要かどうかの判定(いわゆる20万円ルール)も、収入ではなく経費を引いたあとの所得で見ます。詳しくは副業の20万円ルールを参照してください。

認められる経費の範囲

雑所得の必要経費は、No.2210「やさしい必要経費の知識」の考え方に沿うと、その収入を得るために直接必要だった支出が対象です。具体的には次のようなものが挙げられます。

  • 通信費(副業に使うインターネット・携帯料金のうち業務分)
  • 消耗品費(文房具、梱包資材、ソフトのサブスク料など)
  • 取材費・交通費(副業のための移動・調査にかかった費用)
  • 機材・備品の減価償却費(10万円以上のパソコン・カメラなどは耐用年数で按分)
  • 仕入れ・外注費(物販の商品代金、デザインなどの外部委託費)

雑所得でも減価償却は可能です。10万円以上の機材を一括で経費にできないのは事業所得と同じ扱いで、耐用年数に応じて少しずつ経費化します。

注意したいのが、私用と業務が混ざった家事関連費です。所得税法施行令第96条により、家事関連費は業務上必要であることが明確で、その必要な部分を区分できる場合に限り経費に算入できます。自宅の電気代や通信費を経費にするなら、使用時間や面積などの合理的な基準で按分し、根拠を記録しておく必要があります。按分の考え方や領収書メモのコツは按分と領収書管理の実務で整理しています。

事業所得と違って「できないこと」

ここが雑所得と事業所得の決定的な差です。経費を引ける点は同じでも、節税につながる優遇制度は雑所得では使えません。

項目事業所得雑所得(業務)
青色申告不可
青色申告特別控除65万円不可
損益通算(給与と相殺)不可
純損失の3年間繰越不可
青色事業専従者給与不可

特に大きいのが損益通算です。事業所得なら副業が赤字の年に給与所得と相殺して源泉徴収された税金を取り戻せますが、雑所得の赤字は他の所得と通算できず、その年で切り捨てになります。繰り越すこともできません。

これらの優遇を使えるかどうかは所得区分の判定で決まります。だからこそ規模が大きくなってきたなら事業所得を目指す価値があります。判定の基準は事業所得と雑所得の判定基準で詳しく解説しています。

2022年改正で生まれた帳簿保存義務

「雑所得なら帳簿はいらない」というのも、もう過去の話です。2022年分以降、業務に係る雑所得については所得の規模に応じた義務が課されています。

  • 前々年の収入金額が300万円超 → 現金預金取引等関係書類(請求書・領収書など)の保存が義務
  • 前々年の収入金額が1,000万円超 → 確定申告書に収支内訳書の添付が義務

つまり規模が大きい雑所得は、事業所得に近い記帳・書類保存が求められます。判定は前々年の収入金額で見るため、副業が伸びてきたら早めに帳簿を整えておくと安心です。

雑所得でよくある経費の具体例

最後に、副業の種類別に拾い忘れやすい経費を挙げておきます。

副業ブログ・アフィリエイト

  • レンタルサーバー代・ドメイン更新料
  • 有料テーマ・画像素材・分析ツールのサブスク
  • 取材のための交通費・飲食費(業務に直接必要な範囲)

物販・せどり

  • 商品の仕入れ代金
  • 梱包資材・発送の送料
  • 出品手数料・決済手数料

スキル系(ライティング・デザイン・講師など)

  • 書籍代・セミナー受講料(業務に関連するもの)
  • 按分した通信費・電気代
  • ソフトウェアやサブスクの利用料

これらは領収書を残しておけば確実に経費化できるのに、見落とされがちなものばかりです。規模が大きくなると帳簿保存義務もかかってくるため、記帳は早めに仕組み化しておくのが現実的です。

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まとめ

  • 雑所得でも収入金額−必要経費=雑所得の金額で、経費を拾えば課税所得は下がる。
  • 認められる経費はその収入を得るために直接必要な支出。家事関連費は業務分を合理的に按分した部分のみ。減価償却も可能。
  • 事業所得と違い、青色申告・65万円控除・損益通算・純損失の3年繰越・専従者給与は使えない。赤字を給与と相殺できないのが最大の差。
  • 2022年改正で、前々年の収入が300万円超なら書類保存、1,000万円超なら収支内訳書の添付が義務に。
  • 規模が大きいなら事業所得を目指す価値がある。判定基準は事業所得と雑所得の判定基準で確認を。

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  • #雑所得
  • #経費
  • #副業
  • #記帳義務
  • #所得区分

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